自分で作成して保管できる遺言書について教えてください
- 2024.08.05
遺言書には、主に「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」そして「危急時遺言」があります。
今回は、「自筆証書遺言」についてご案内します。
自筆証書遺言は、遺言をされる方(「遺言者」)が、遺言の全文、日付、氏名を全て自分で手書きして、押印する必要があります。
遺言の全文、日付、氏名を自分で手書きし、そして押印することは、同じ日に行います。自筆証書遺言を手書きで作成するときには、遺言者の印鑑を手元に置いて作成することが必要です。
ただし、法律の改正により、平成31年1月13日より、自筆証書遺言に財産目録を添付する場合は、財産目録に限り、遺言者がパソコンで作成することや遺言者以外の方による作成、または財産に関する資料(通帳のコピー等)を添付する方法でもよいことになりました。これらの場合は、財産目録の全てのページに自書による署名、押印が必要です。
いずれの場合でも、作成した自筆証書遺言を機械などで破損してしまわないよう、保管されるまでの間の時間においても、作成された自筆証書遺言は大切に管理する必要があります。
次に、作成した自筆証書遺言の保管方法についてです。
遺言書を作成された方がご自身でご自宅等に保管します。
また、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する方法があります。
この制度を利用すると、自筆証書遺言書は、法務局にて原本と画像データの方法で長期間、適正に管理され、紛失や他者による改ざん等を防ぐことができます。
自筆証書遺言は、遺言者がお亡くなりになった後、家庭裁判所にて「検認」の手続をとる必要がありますが、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用すると、この検認の手続が不要になります。
更に、自筆証書遺言書保管制度を利用すると、遺言者が希望をすれば、遺言者の死亡の事実が確認できた際に、予め遺言書が保管されていることを的確に知らせたいと遺言者が考える方に対して、遺言書が保管されていることを通知することができます。
この制度を利用する場合は、先にご紹介した自筆証書遺言の要件に加えて、更に使用する用紙や余白等の要件があります(遺言書保管省令別記第1号様式)ので、この制度の利用を検討されている場合は、弁護士に相談し、助言を得ながら自筆証書遺言の作成をすることが考えられます。
一方で、ご自身で自筆証書遺言を保管する場合、金融機関の貸金庫には保管されないで、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用することなどが考えられます。貸金庫に自筆証書遺言を保管すると、貸金庫の相続手続が別に必要になるため、貸金庫の相続手続に必要となる書類の準備等に時間がかかり、貸金庫の開扉と実際の遺言書の確認までに時間がかかってしまうためです。
今回は、自筆証書遺言についてご紹介しましたが、どの方法による遺言が最も望ましいか、遺言をご検討される方のご希望や財産の状況等に応じて、専門家である弁護士がお話しを伺った上で、ご提案させて頂きます。
遺言書作成時の注意事項や要件がいくつもありますので、ご自身で作成される場合は、ご不明な点がおありかと思います。
もし、要件が異なり、遺言書としての効力が及ばないということになれば、せっかく遺言書を作成されても、遺言をされる方の遺志が継がれないことになります。
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